平和運動とは「肯定する力を信じる」ということ〜ベッド・イン50周年〜
「ベッド・イン」という、何とも破廉恥なイマジネーションをかきたてる名のイベントがその昔あった。新婚の男女によるものときたのだからいよいよ想像はあっちの方にいってしまうが、さにあらず。イベントの狙いは、ベトナム戦争が激化していた時代にあって非暴力で平和を訴えること。その男女とは、世...
「ベッド・イン」という、何とも破廉恥なイマジネーションをかきたてる名のイベントがその昔あった。新婚の男女によるものときたのだからいよいよ想像はあっちの方にいってしまうが、さにあらず。イベントの狙いは、ベトナム戦争が激化していた時代にあって非暴力で平和を訴えること。その男女とは、世...
新国立劇場で『骨と十字架』を観劇したのは2019年7月のこと。劇団「パラドックス定数」の野木萌葱による史実と虚構を織り交ぜたストーリーを、新国立劇場芸術監督である小川絵梨子が演出した、同劇場2018/2019シーズンの掉尾を飾る舞台劇だった。 聖職者にして古生物学者、実在した司祭...
阿佐ヶ谷スパイダースの最新作『桜姫~燃焦旋律隊殺於焼跡~』観劇のため吉祥寺シアターへ。瀟洒な劇場に足を踏み入れると、長塚圭史、伊達暁といったおなじみの役者陣が揃って出迎えてくれて驚くやら嬉しいやら。四代目鶴屋南北が文化十四年(1817年)に著した『桜姫東文章』を換骨奪胎した本作、その出来は……。
自由でありながら、常に足が地についていて、血が通っている ユーモアとは、ある事象から一歩引いた場所から立ち現れるもの。 熱源に近すぎず、しかしその熱さを解するだけの共通感覚もある。 「あなたにはこう見えているかもしれないけど、実はこんなことじゃないですか」という、異...
ノルウェーといえば? だいぶ旧聞に属する話なのだけど、ある年の夏、ノルウェーを旅してまわった。スカンジナビア半島の北欧3国のいちばん西側で北大西洋に面しており、国土の広さは日本とほぼ同じながら、人口は526万程度と日本の4割強の王国である。 北欧といえば、ムーミンは...
東大生が理解できなかった、東大入学式での東大総長の式辞 この本を最初に読んだのは発売後間もない2000年頃だったか。「東大生が理解できなかった、東大入学式での東大総長の式辞」という当時の評判に“非東大生”が触発されたわけである。 当時20代半ばの自分がどれほどまで内容を理解してい...
なぜ、反原発デモに通ったのか 2012年6月からおよそ半年の間、毎週金曜日に首相官邸前やその周辺で行われている反原発デモに足繁く通った。 最初に訪れたのが6月15日。ちょうどこの運動の規模が拡大を続け、徐々にメディアでも取り上げられるようになった時期と重なる。翌週22日には主催者...
幼少期の憧れ 子供の頃に憧れた大人の持ち物が2つあった。 ひとつは「アタッシェケース」。記憶は曖昧だが「秘密のアタッシュケース」という名前のおもちゃが欲しくてしょうがなかった。モデルガンやスパイ道具のような玩具を詰め込んだケースに、こんな頼れる道具(というかおもちゃ)を持っていろ...
ツイッターは「イメージ」でつながり、「イメージ」で敵をつくる ツイッターで他人と議論できる人は、つくづく器用だと思う。 140字(ずつ)の発言で持論をまとめそれを伝え、また相手の主旨を的確に拾わなければならないのだから。しかも相手の素性は不確かなことも多く、だいたい独り善がりなプ...
震災・原発事故を語る、福島に住む人たちの等身大の言葉 『福島の美術館で何が起こっていたのか ── 震災、原発事故、ベン・シャーンのこと ──』という本の存在は、2012年の秋頃にツイッターのTLで知った。 「編集グループ〈SURE〉」という京都をベースに活動するグループから出てい...