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第4章:時の「死角」~町田・大和・横浜での米軍機墜落事故~その2「町田米軍機墜落事故」

世界初の高速鉄道である東海道新幹線が開業し、アジア初の五輪として東京オリンピックが開かれた1964年(昭和39年)。戦後復興の集大成を世界に向けて華々しく披露したその年は、在日米軍の航空機墜落事故が立て続けに発生し、民間人の多くが死傷したという暗い側面も持ち合わせている。 その惨...

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第4章:時の「死角」~町田・大和・横浜での米軍機墜落事故~その1「厚木基地とは何か」

辺野古への移設問題で揺れる沖縄の普天間基地は、人口密集地域と隣り合っていることから「世界一危険な基地」とも呼ばれる。民家や学校スレスレに離発着する軍用機は、凄まじい騒音をもたらすとともに基地周辺の安全を脅かしているといわれ、2004年にはこの米軍海兵隊基地に所属する大型ヘリが近隣...

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第3章:首都に潜む「死角」~東京の在日米軍基地~

前口上で触れた通り、在日米軍の施設・区域の都道府県別面積を見ると、1位沖縄、2位青森、3位神奈川に次いで4番目に首都・東京の名前があがる。 都内にある施設は全部で8つ。このうち、本土から1200km離れた硫黄島にある「硫黄島通信所」と、第2章で取り上げた横田基地を除くと、我々のご...

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第2章:都の西限、双子の明暗 ~ 横田基地と立川基地~その4「基地問題を本土から消し去る」

立川基地と横田基地、東京の2つの基地の歴史を振り返ってみると、今回のテーマである「死角と構造」を、随所に、多層的に見つけることができる。この章の最後では、その死角と構造を「支えるもの」についても考えてみたい。 「巨大なサークル」で守られた首都圏 立川基地と横田基地の歴史から紐解く...

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第2章:都の西限、双子の明暗 ~ 横田基地と立川基地~その3「関東計画と基地行政の原型」

Jリーグやコンサートとなれば多くのひとで賑わいを見せる、東京・調布市にある味の素スタジアム(東京スタジアム)。およそ5万人を収容するこの競技場をはじめ、アメリカンフットボールなどが行われるフィールドや、現在建設中の屋内プールなどを擁する新しいスポーツ施設、さらには広々とした公園、...

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第2章:都の西限、双子の明暗 ~ 横田基地と立川基地~その2「基地の街から中核都市へ ── 立川の転身」

2015年暮れに「ららぽーと立川立飛」が立川市内にオープン。約9万4000平方mという広々とした敷地に250店舗を擁する、西東京を代表する巨大ショッピングセンターとして注目を集めている。 ところで、この「立飛(たちひ)」という聞きなれないネーミングが何に由来しているのか、どれほど...

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第2章:都の西限、双子の明暗 ~ 横田基地と立川基地~その1「国道16号線のアメリカ」

東京都西部、福生市を中心とした5市1町にまたがる横田基地は、沖縄を除いた日本本土最大の米空軍基地であり、米第5空軍司令部をはじめ、在日米軍司令部、さらには航空自衛隊航空総隊司令部などが置かれる、日米双方にとっての重要な軍事拠点である。 そこから数km離れた場所には、かつて米軍の立...

日米同盟の軌跡と関連する世界情勢 0

第1章:日米安保の基礎知識

アメリカの“武力の傘の下”での戦後史 国家の安全保障(national security)とは、「国外からの攻撃や侵略に対して国家の安全を保障すること。またその体制」と定義される。日本における安全保障は、アメリカとの二国間条約である日米安全保障条約(正式名称「日本国とアメリカ合衆...

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前口上:東京にいて「平和憲法」や「沖縄の基地問題」を声高に訴えるバツの悪さ

いつも通る道の裏 ある晴れた冬の日、近所のとある場所まで自転車で出かけた。 住宅街には場違いなほど鬱蒼と木々が茂った一帯があり、その光景を写真に収めながらトロトロと流していた。細い道の角を曲がった瞬間、目の前にいきなりお寺と思しき建物があらわれてドキッとした。 あまりに唐突な場面...

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「何かを理解したかのような気分」という病 ~ 蓮實重彦『齟齬の誘惑』を再読して ~

この本を最初に読んだのは発売後間もない2000年頃だったか。「東大生が理解できなかった、東大入学式での東大総長の式辞」という当時の評判に“非東大生”が触発されたわけである。
当時20代半ばの自分がどれほどまで内容を理解していたかはあやしいところだが、少なくとも40歳になった今になってふと読み返したくなったのだから、何かしらの“意識の欠片”が残っていたのだろう。