0 journal bg 01/01/2025 by bg · Published 01/01/2025 · Last modified 01/10/2025 自由に泳ぎ続けるということ〜ヴォルフガング・ティルマンス「Freischwimmer」から20年〜 咋2024年は、東京オペラシティで開かれたヴォルフガング・ティルマンス「Freischwimmer(フライシュヴィマー)」展からちょうど20年という、個人的にも感慨深い節目の年だった。現代写真における写真の再定義、その価値の生成、そしてティルマンスのユニークな点として指摘される「等価性」と「政治性」についてあらためて考えてみた。
0 journal bg 12/29/2023 by bg · Published 12/29/2023 · Last modified 12/30/2023 賛否両論のドラマ『いちばんすきな花』の何が今日的なのか 2023年秋に注目を集めたフジテレビのドラマ『いちばんすきな花』。「男女の間に、友情は成立しますか?」という、いささか凡庸なコピーが踊る本作は、実に繊細で、極めて今日的なストーリーだった。共感するひとと、全く理解できないひと、両極端な意見が散見されたのだが、それだけ好き嫌いが分かれた理由は、どこにあったのだろうか。
0 journal bg 12/09/2023 by bg · Published 12/09/2023 · Last modified 12/16/2023 「巨大な目玉」は何を見たか?〜阿佐ヶ谷スパイダース『ジャイアンツ』観劇〜 阿佐ヶ谷スパイダースにとって2年ぶりの本公演『ジャイアンツ』を新宿シアタートップスで観劇。前回は吉祥寺で観た『桜姫〜燃焦旋律隊殺於焼跡』だったから、個人的にはコロナ禍を経て4年ぶりに芝居を楽しんだことになる。
0 journal bg 11/23/2022 by bg · Published 11/23/2022 · Last modified 12/30/2023 映画『窓辺にて』からにじみ出る“不思議さ”とは何か 稲垣吾郎が主演をつとめた今泉力哉監督作品『窓辺にて』は、とても不思議な映画だ。登場人物への強い感情移入や強烈なインパクトは全然もたらさないのだけど、なんかホッとしたり、救われたり、ちょっと寂しかったり、悲しかったり、でも穏やかになれたりする。おおむねポジティブなメッセージを受けているようなのだけど、背中を押された感じもしない。でも悪い気はしないし、前向きでいられるような気持ちにさせてくれる。
0 journal bg 02/27/2022 by bg · Published 02/27/2022 · Last modified 12/30/2023 いまのご時世、自動車やバイクに性的な意味を負わせることはできるのか?〜『あの胸にもういちど』で思ったこと〜 フェティッシュな『あの胸にもういちど』を見て思った素朴な疑問。映画でも政治的な正しさに照らし合わせた配役がなされるようになった現在、自動車やバイクといったものに、性的な意味を負わせるということは、果たして通用するものなのだろうかと。
0 journal bg 12/29/2020 by bg · Published 12/29/2020 · Last modified 12/30/2023 『Mad Men』で考える、幸せとは何か。 2020年に観たベストの作品は何か? 餓鬼が喜ぶ鬼退治の話、なわけもなく、歌舞伎まがいの銀行ドラマにも食指は動かなかった。コロナ禍で個人の密かな楽しみとしていたのが『Mad Men』。2007年から2015年までアメリカで放映されたテレビドラマだった。
0 journal bg 09/20/2020 by bg · Published 09/20/2020 · Last modified 12/30/2023 『We Margiela マルジェラと私たち』〜顔を出さないデザイナーと「We」の発明、その末路〜 『We Margiela マルジェラと私たち』は、高級ファッションブランド「メゾン マルタン マルジェラ」を作り上げた人々の声を集めた、2018年のドキュメンタリー映画。とはいえ、その“声”のなかに、長くデザインを手がけたこのブランドの中心的人物、マルタン・マルジェラは含まれていない。顔を出さず、語らないデザイナーとメゾンのスタッフは、そんな状況でひとつの語り口を発明する。
0 journal bg 12/15/2019 by bg · Published 12/15/2019 · Last modified 05/21/2020 平和運動とは「肯定する力を信じる」ということ〜ベッド・イン50周年〜 「ベッド・イン」という、何とも破廉恥なイマジネーションをかきたてる名のイベントがその昔あった。新婚の男女によるものときたのだからいよいよ想像はあっちの方にいってしまうが、さにあらず。イベントの狙いは、ベトナム戦争が激化していた時代にあって非暴力で平和を訴えること。その男女とは、世...
0 journal bg 11/24/2019 by bg · Published 11/24/2019 · Last modified 05/21/2020 科学とは、信仰とは何か〜新国立劇場『骨と十字架』観劇〜 新国立劇場で『骨と十字架』を観劇したのは2019年7月のこと。劇団「パラドックス定数」の野木萌葱による史実と虚構を織り交ぜたストーリーを、新国立劇場芸術監督である小川絵梨子が演出した、同劇場2018/2019シーズンの掉尾を飾る舞台劇だった。 聖職者にして古生物学者、実在した司祭...
0 journal bg 09/15/2019 by bg · Published 09/15/2019 · Last modified 11/26/2022 「しっくり」の先にある「世界」という不自由さ〜阿佐ヶ谷スパイダース『桜姫~燃焦旋律隊殺於焼跡~』〜 阿佐ヶ谷スパイダースの最新作『桜姫~燃焦旋律隊殺於焼跡~』観劇のため吉祥寺シアターへ。瀟洒な劇場に足を踏み入れると、長塚圭史、伊達暁といったおなじみの役者陣が揃って出迎えてくれて驚くやら嬉しいやら。四代目鶴屋南北が文化十四年(1817年)に著した『桜姫東文章』を換骨奪胎した本作、その出来は……。