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どうやってマサイ・マラに行くか

香港でのトランジット。機上での時間も長いが空港での待ち時間だけでも丸半日。深夜のドバイではベンチで仮眠をとった。

香港でのトランジット。機上での時間も長いが空港での待ち時間だけでも丸半日。深夜のドバイではベンチで仮眠をとった。

「ムパタ・サファリ・クラブ」は日本人が経営するため、日本にも窓口があるが、もろもろの手配をしてくれる旅行代理店に頼むのが簡単。マサイ・マラはもちろん、ケニアやアフリカ各地へ行けるツアーも用意されている。

今回は、「ファイブ・スター・クラブ」の「5ツ星ムパタクラブに4連泊!! ケニア・マサイマラ徹底サファリ」に参加した。8月下旬の時期で、費用は1人およそ35万円だった。現地には日本語を話せるスタッフがおり、初心者でもそれほど戸惑うことはないだろう。

マサイ・マラまでは何時間かかるか

とにかく長旅だった。日本からケニアへの直行便はないようで、ツアーの関係上、成田~香港~ドバイ~ナイロビ~マサイ・マラという空路をとった。最終的にムパタ・サファリ・クラブへ到着するまでは30時間以上を要した(成田からドバイまでキャセイパシフィック航空、ナイロビまでケニア航空。エミレーツ航空を使うツアーもあったが割高だった)。

帰りのドバイでは1泊。明けて慌ただしく市内観光を済ませ、夜のフライトで香港、成田へと発った。ペルシャ湾の海が美しい。

帰りのドバイでは1泊。明けて慌ただしく市内観光を済ませ、夜のフライトで香港、成田へと発った。ペルシャ湾の海が美しい。

トランジット、特にドバイでのそれは長く、出発日21時着から6時間待機。その間、ターバンを巻いたアラブ人にまぎれて空港内のベンチで仮眠をとった(ドバイは24時間空港)。
帰りはドバイ深夜着で、あくる日の夜まで1日滞在。アラブの国で短い観光を楽しんだ。 ちなみに、ケニアと日本との時差は6時間。夏時間はない。

現金はいくら必要か

ツアーの費用などを除き、現金をどれほど持っていけばいいのかは少し悩んだ。クレジットカードはあるものの、手元に置いておくお金は?
とりあえず、成田で3万円を265 USドルに両替。ナイロビの空港で100ドルを7130ケニア・シリングに替えた(レートは当時のもの)。
結果的には、カード併用で足らないということはなかった。観光地であればドルが使えるし、そもそも店などないサバンナで大半を過ごしたため、現金が必要とされることは稀だった。

しかし、ゲンナマがいらないわけではない。空港内での飲食やムパタ内でのチップの支払いに使うからだ。

ビザ、予防注射は必要か

ケニアの観光ビザ。在日大使館に赴く手間を惜しまなければ6000円で取得できる。

ケニアの観光ビザ。在日大使館に赴く手間を惜しまなければ6000円で取得できる。

ケニア観光にはビザをとらなければならない。出発前に日本のケニア大使館で観光ビザ(1人6000円)を申請すればいいが、面倒なので手数料を払って旅行代理店にお願いした。

「アフリカ=伝染病が心配」ということで予防注射が必須のように思えるが、少なくともマサイ・マラ来訪では義務付けられていないため、一切手配をしなかった。海岸地域に赴くならマラリアなどの危険性が高いらしいものの、マサイ・マラのような高原地域ではそのような心配はないと聞いていたためだ。

結果、特に問題はなかった……いや、正直にいえばムパタ滞在終盤から下痢が止まらなくなり、成田で検査を受けた。正露丸がまったく効かないほどで、帰国後1週間ぐらいして自然に治ってくれた時は安心した。検査の結果も届かず(問題なしの意味)、疲れか、ちょっとした菌などの仕業かもしれない。
予防注射、もし心配なら医者に事前に相談を。

現地の気候はどうか、服装はどうすればいいか

ケニア入国カード。帰りの空港で出国カードがないと慌てたが、「そこの入国カードを使ってくれ」といわれた。テキトウ。

ケニア入国カード。帰りの空港で出国カードがないと慌てたが、「そこの入国カードを使ってくれ」といわれた。テキトウ。

赤道直下の国ケニアだが、マサイ・マラは高原地域(標高1700m前後)なため、8月下旬でも空気が乾燥していて過ごしやすかった。
朝晩は10度前後まで気温が下がる。ムパタの部屋には暖房はなかったが不都合を感じることもなかった。しかし、朝のサファリ・ドライブなどでは防寒装備は必須であるため、とにかく厚手のセーターやフリース、風を通さない上着、手袋などは必ず持っていったほうがいい。

一方昼間は30度まで暑くなるため、脱ぎ着して調整できるような服装がオススメ。動きやすい靴やパンツなどはもちろん、サングラス、帽子(風に飛ばされないような)、埃よけのバンダナなどを用意しよう(登山用品は何かと適している)。
なお、動物を刺激しないため、派手な服装は避けるべきだとか。迷彩服とまではいかないまでも、自然になじむ色が好ましいようだ。

持ち物はどんなものが必要か

何しろ撮りたい被写体には事欠かないから、デジカメはバッテリーを複数本、メモリー等も充分な容量を用意したほうがいい(個人的にはバッテリー3本、メモリー1.5GBを持参。デジタルビデオはバッテリー2本、60分ビデオカセット6本)。ムパタの室内にコンセントはあるが電圧が220~240Vなため変圧器が必要(ただし電気が使えるのは朝5時前~11時までと、18時から23時過ぎまで)。加えて、ドライブに持っていく、カメラなどを入れるバッグがあると便利だろう(過酷な状況に耐えうるもので)。

日焼け止めやリップクリーム、常備薬(車酔いする向きには酔い止めを!)、洗面用具など、ほかの旅行と同じようなものは持っていった方がいい。ジャグジーを楽しむなら水着を。バスタオルは備え付けのものがある。ちなみに水は飲めない(茶色い色つき)ため、部屋にあるミネラルウォーターを飲んだ。

それから、携帯用の動物図鑑のようなものがあるととても便利。ドライブ中ドライバーが動物の名前を教えてくれるが、さらに理解を深めることができる。

現地の治安はどうなのか

ムパタ・サファリ・クラブのマーク。オーナーの『ソトコト』小黒一三編集長によると、「始めてから16年は赤字、昨年(2005年)ようやく黒になった」とか。

ムパタ・サファリ・クラブのマーク。オーナーの『ソトコト』小黒一三編集長によると、「始めてから16年は赤字、昨年(2005年)ようやく黒になった」とか。

出発前、マサイ・マラでドライブ中の観光客が盗賊に襲われるという事件があったらしい。それを受けて、ライフルを持ったひとを各車に配置するという対処がとられていたが、特に問題なく終わった。広い草原のマサイ・マラで盗賊騒ぎが起こることは、ごく稀だがあるようだ。

ムパタ内での治安は良好。もちろん基本的に自分のことは自分で守るという大原則はいうまでもない(金品取り扱い含め)。大型肉食動物はフェンスにより入ってこれないのでライオンに出くわすこともない。

なお、ナイロビの治安はあまり良好とはいえなさそう。巨大なスラムもあるし、圧倒的マイノリティの日本人は何かと目立ってしまうだろうから注意が必要だ。

サファリは過酷だ!そしてオススメだ!

マサイ・マラへ行くのも大変だが、たった数日の滞在となるとムパタでの生活もなかなかハードだった。
到着したその日の午後のドライブはキャンセルし、ジャグジーで疲れをとるよう努めた。翌日から朝は5時起床(気球に乗るバルーン・サファリはその1時間前)。まだ暗く寒い6時にムパタを出発し8時半~9時頃に戻り、朝食。

午後のドライブ(15時~18時半)までは自由だが、ジャグジーに入ったりマサイ村を訪ねたり昼食や昼寝をとるなりしているとあっという間に過ぎる。
夜になればディナーで約2時間。部屋に戻ってシャワーを浴びて23時過ぎの消灯にあわせ就寝、という繰り返しだった。

ムパタ・サファリ・クラブからクルマで40分程、マサイ・マラのオロロロ・ゲートに到着する。

ムパタ・サファリ・クラブからクルマで40分程、マサイ・マラのオロロロ・ゲートに到着する。

ドライブでは悪路をひたすら移動。風に当たりながら自然見学はだいぶ疲れるが、それでも次々とあらわれる動物や美しい景色を目の当たりにできるのだから苦にはならない。むしろ充実した毎日をおくることができる。
大都市や田園風景もいいが、サバンナ旅行も大いに価値あり。一生に一度は訪れることをオススメしたい。

*情報は2005年当時のものをベースとしており、その後変更されている場合があります。