- ナイロビまであと少し。ケニア・エアウェイズKQ311便から、ケニア最高峰マウント・ケニア(5199m)を臨む。アフリカではキリマンジャロ(5895m)に次ぐ2番目の高さ。雲海の間から、立派な山容を覗かせる。
- ナイロビに到着後、バンで国内向けウィルソン空港に移動。空港といっても小規模な待合室に喫茶&土産店、格納庫がある程度。飛行機2時間近く遅れる。写真はマサイ・マラ行きの(使いまわし)ボーディングパス。
- 国内線エア・ケニアに搭乗。途中飛行機を乗り換えてマサイ・マラのキチュワ・テンボ・エアストリップには小一時間で到着。土の滑走路に東屋、あとは草だけ。迎えのランクルに乗ってムパタ・サファリ・クラブへ。
- 屋根に穴を開けたランクルに揺られ、ムパタ・サファリ・クラブまでおよそ45分。予想外の悪路が、長時間のフライトで疲れた身体にムチを打つ。頭上に広がるのは青空と雲、そして燦々と降り注ぐ太陽の光。
- ムパタ・サファリ・クラブの部屋から。夕暮れが近づくにつれ徐々に黒い雲が広がり始める。聞こえてくるのは、鳥の鳴き声、そして轟く雷鳴。やがて雨が落ちてきた。美しい景色を前に、ようやく一息つくことができた。
- マサイ・マラでの初めての朝。まだ暗い5時起床、6時出発。気温は10度以下、寒い。ランクルに乗って一路マサイ・マラ国立保護区に向かった。やがて空が白み始め、朝日とのグラデーションがあらわれた。
- 6時半頃、太陽が東の空から顔を出した。前夜の雨で空気がしっとりとしている。マサイ・マラの静かな朝。きっといつもと変わらない1日の始まりなのだろうけど、初めて見るものにとっては息をのむほどの美しさだ。
- 昇る太陽をバックに草を食むのはアフリカゾウ(african elephant)の(たぶん)親子。陸上最大の動物で、体高は3~4m、体重は5~6トンまでになる。主に朝夕に採食し、日中は木陰で休んでいたりする。
- 草食動物たちは、いろいろな種類が集団をつくっていることが多かった。朝靄立ち込める草原で、シマウマ(zebra)、アフリカンバッファロー(african buffalo)ご一行様の朝食。とくにシマウマはサバンナでよく見かける。
- キリンも多く見かけた。写真はギザギザした模様からマサイキリン(masai giraffe)と思われる。よりキレイな模様はアミメキリン(reticulated giraffe)。いずれも動物いち背が高いことはご存知のとおり。
- アフリカンバッファロー。のんきに草を食べているように見えるが、草食動物の中ではもっとも気が荒く、クルマをひっくり返すこともあるとか。救助や復讐の観念もあるらしく、襲われた仲間を助けたりライオンを追いかけたりする。
- 体高1.7m、体重400~900kg。アフリカンバッファローは、雄雌問わず、頭に立派な太い角を生やしているが、雌のそれは小さい。歳をとるごとに左右の角は頭上中央に寄ってくるという。
- 「百獣の王」ライオン(lion)を目の当たりにした。朝のまどろみから抜けきれていない、寝ぼけ顔の2頭だったが、見るものを興奮させるほどのオーラが出ていたのはたしか。
- マサイ・マラ国立保護区の面積は約1600平方km。国内最大ではないが、もっとも人気のある観光スポットとして知られている。いわゆる「エコツーリズム」に則った観光だが、クルマの轍や草の踏み均しは問題なのだという。
- マサイ・マラにはマラ川という川が南北に流れており、豊かな土壌をつくっている。各所に「ヒッポ・プール」と呼ばれるカバの生息地があり、日中、カバ(hippopotamus)のグループがプカプカ浮いている。
- 保護区内の草原をランクルで自由自在に動きまわるドライバー兼ガイド。担当してくれた彼はムパタ・サファリ・クラブのベテラン、オボチャ。無線で他車と連絡をとりながら動物を見つけ出す。
- 大草原にたたずむダチョウ(ostrich)。体高2.5m、体重100~130kgで、現存する鳥類のなかで最大のサイズを誇る、が飛べない。しかし脚力は立派なもので、時速70~80kmで走れるとか。
- ゾウは10~20頭の雌と子供で群をつくる。雄は単独か独身集団として行動し、発情時期に群と合流するという。巨体を維持するために毎日250kgもの食料を採る大食漢だ。
- ムパタ・サファリ・クラブは、オロロロの丘という名の高台にある。オロロロとは現地の言葉でジグザグという意味。マラ川と、彼方まで続くサバンナの大地が広がる。
- 五つ星ホテル、ムパタ・サファリ・クラブには、11のスイートルームと12のデラックスルームがあり、すべて独立したコテージ風の部屋となる。すべての部屋から絶景を臨むことができる。
- スイートルームではジャグジーを楽しむことができる。アフリカの自然のなかでのひとっ風呂は最高。実に贅沢。滞在中お湯は変えられることはなかったが、チェックアウト後は入れ替えが行われていた模様。
- とてもユニークな意匠の建物。曲線を多用した、巻貝状のデザインは、鈴木エドワードの手になるもの。室内にも独特のかたちをした家具が置かれる。見ているだけでも楽しめる。
- 天井を見上げる。中央に採光口が設けられており室内は明るい。ひとつ難点をいえば、壁により室内の各部屋が完全に仕切られていないところ。トイレも天井で繋がっているので……気を遣う。
- とにかく草、草、草の大平原。人工物は見当たらない。頭上には雲、雲、そして青空。真上を見上げると、目のふちに地平線をとらえながら、地球の丸さを感じることができる。この丸さ、写真やビデオで表現できないのが残念。
- 背の高い草木が生えた場所に近寄ると、ライオンの家族がのんびりと過ごしていた。子ライオンは、ネコ科の動物らしくネコのようなライオンのような姿をしている。かわいい。
- ほのぼのとした家族愛、お互い身を寄せ合い、舐めあいながら、すっかりリラックスするライオン一家。獰猛な肉食獣らしからぬシーン、と思うが、実はライオン、最強とはいいがたい一面もあるとか。
- まず「百獣の王」は狩りがそれほど上手くないらしい。成功率は平均2割程度といわれ、他の肉食獣がしとめた死肉を食することもあるとか。タテガミが凛々しい雄は基本的に狩りを行わず、雌がハンター役を務めるらしい。
- 体高1.2m、長さは1.7~2.5m、体重は雄で240kg、雌で180kg。立派な体躯ゆえ、もし襲われたらひとたまりもないことは想像に難くない。しかし夜行性なため、昼間は比較的おだやかに見える。
- プライドと呼ばれる、雄、雌、子供含めて30頭前後までの群が形成される。プライドのテリトリーは50~400平方キロ、夜のうちにハンティングやパトロールを行い、昼間はよく寝そべっている。
- 子育ては雌の役割。プライド内の雌が共同で行うという。狩り、育児を雌が受け持つとなると、雄の役割って……と疑問を抱きたくもなるが、少なくともプライド内の雌を守るという役目は担っているようだ。
- 今回遭遇したこのプライドは、しばらく草むらでじゃれあっていたのち、広く開けた場所にノソノソと出ていき、同じ方向を向いて、その場に寝そべってしまった。なんとものどかな光景だ。
- 狩りはライオンより上手といわれる同じネコ科のチーター(cheetah)。食事中で、顔をあげたら口のまわりに血がついていた。野生でもひとを襲うことはないらしい。朝夕に活発に動きまわる昼行性。
- 100km/hオーバーで走るという地上最速の動物。狙われたらひとたまりもなさそうだが、持久力は500m程度だから、獲物が逃げ切れる場合もあるらしい。成功率は忍び寄って気づかれなかったら2回に1回、気づかれたら15回に1回。
- 頭は小さく、足は長い、無駄のない身体つき。逞しいライオンとは好対照だ。体高85cm、長さ1.5m、体重65kg。主にアフリカのサバンナに生息しているという。長く突出した爪がスパイクの役目を果たす。
- 保護区内では、よくほかのサファリカーに遭遇する。白人系の観光客が多かった。すれちがいざま、ドライバーたちは情報を交換しているのだろう、何やら話をする。
- サバンナの各所で見られるサバンナシマウマ(burchell’s zebra)。ヌー(wildebeest)とともに季節ごとの大移動を行うことで知られる。1頭の雄を中心に数頭の雌で構成されるハーレムの群を形成するとか。
- 夕日に照らされながら草を食む草食動物たち。肉食系と違って種類が判別しづらい? 顔や足の付け根が黒っぽいのがトピ(topi)、長く曲線を描いた角を持つのがインパラ(impala)。シカに見えるがウシ科の動物たちだ。
- マサイ・マラ2日目の終わり。ムパタ・サファリ・クラブへと帰る途中。夕日と雲と空と大地がおりなす1日の終幕。
- 目の前のオロロロの丘の上に、ムパタ・サファリ・クラブが見えた。あの奇妙な建物たちが、峰にそって並んでいるのがわかる。中央の大きな棟はロビーやレストランなどが集まるクラブハウス。写真手前にはマサイ族の集落。
- マサイ・マラの空。
- 夜の帳が下りると、本当に真っ暗。人工の光はホテルからしか発せられない。星空がどれほど美しいことか。何度もカメラに収めようとしたが失敗。夜も素晴らしい景色だ。
- ムパタ・サファリ・クラブのクラブハウスには、スイミングプールが併設される。サバンナの大草原を見渡すプールだが、滞在中、入っているひとは見かけなかった。
- 午後のドライブから戻り、すぐに夕食。毎晩ディナー時には何かしらの“催し”があって、この日は滞在中の白人男性の誕生パーティとなり盛り上がった。部屋に戻ると、何やら獣の足跡らしきものが……。
- ナゾの足跡のことはひとまず忘れて、ベッドのなかには、昔なつかし湯たんぽが入れてあった。標高1700m以上、赤道付近とはいえ10度以下まで冷え込む朝晩に、うれしいおもてなしの一品。各部屋、基本的に暖房はない。
- 基本的に電気は夜11時に止まる決まりだが、その後30分ぐらいは使えた。朝は5時頃から通電。部屋にいる間、デジカメやビデオのバッテリーを充電。日本から持参した変電器を使用。
- マサイ・マラにきて2度目の朝。グラデーションが一日の始まりを告げる。
- この朝一番のトピックは、カバとの陸での遭遇。昼間は川で水遊びをしているからのんびり屋かと思いきや、夜は陸上で活発に動き回っているというから意外。かなりのスピードで走り去っていった。
- キリンの親子。子は親にすりよっては甘えていた。高さ3.6~4.8m、体重425~550kg。他の動物が届かない高い木の葉を食べられ、敵の存在をいち早く察知できる、理にかなったカッコをしている。
- 何を思うか?
- 獲物のことか?
- 大草原が広がるマサイ・マラだが、その合間には木々も生えている。
- サファリ・ドライブ。
- ゾウはコミュニケーション能力に長けた動物だという。唸り声や身体から発する分泌液などに加え、人間には感じとれない低周波を足でキャッチ。数十km離れても交信できるというから驚きだ。
- ゾウの雄雌の見分け方は、生殖器や牙に加え、頭のカタチでもわかるとか。雄は丸みを帯びており、雌は角張っている。
- ライオンの食事風景。狩りの瞬間を目撃することはできなかったが、2頭のライオンがシマウマを食しているところに遭遇した。
- 無心でシマウマに噛りつくライオン。ほのかな生臭さと、カリ、カリというかすかな音が届いてくる。
- 真っ赤な血肉と縞模様のコントラストが生々しい。もうかなりの肉はなくなっていたが、ひょっとすると、違う動物によりしとめられたのかもしれない。
- オンの迫真のブレックファースト。
- ここがマサイ・マラ国立保護区のオロロロ・ゲート。保護区といっても柵はなく、ゲートもカタチだけ。トイレが利用できた。
- 悪路を頼もしく突き進むランドクルーザー。後ろ2列が観光客用のシート。ルーフに2つ大きな開口部があり、そこから頭を出して見物する。しかし凄まじい揺れと格闘しなければならない。
- 保護区の外にも、当然ながら動物はいる。“区”という考えは、きわめて人間的。
- ゾウとマサイ・マラ。門歯が発達した牙は一生伸び続けるという。
- 朝のドライブを終えて、ムパタに戻ってきた。
- ムパタのクラブハウス内のレストラン/ダイニングエリア。奥にレセプションエリアやデン(図書スペース)がある。
- 食事は「オテル・ドゥ・ミクニ」の三國清三の指導によるものとか。どれも日本人の口にあった味付けがされていて、美味しかった。
- ムパタの部屋。左奥がトイレ、その手前がベッドルーム。右奥がエントランス。
- 振り向けば、アフリカのサバンナ。外にはバルコニーがあり、イスに腰かけ読書やひなたぼっこにも興じることができる。
- これ、ムパタのルームキー。30cmはある木の棒は、マサイ族伝統の武器を模したもの。
- ベッドルームから。家具といい飾られる絵といい、ユニークだ。
- 部屋へのアプローチ。屋根の上には、おそらく太陽光発電装置であろうものが置かれている。
- オプションツアーでマサイ族の村を訪れた。これは村の裏に生える1本の木で、樹皮は薬として用いられるという。
- 案内してくれたマサイの青年。学校に通い英語を学んだひとが観光客の相手をする。背後にあるのはマサイの家。牛の糞を乾かしたものを用い建てられる。家の建設は女性の仕事とか。
- マサイの家のなかは昼間でも暗い。寝床や暖炉(コンロ?)などがある。牛の糞でできていることは、いわれないとわからない。つまり、臭くはない。当たり前か。
- マサイの青年たちが、火起こしを実演。小さなくぼみのある木と棒を用意し、棒をくぼみに入れ回転させ摩擦で火種をつくり、煙が出てきたら藁に引火させる。やってみたら意外と簡単だった。
- 村は円状の柵で覆われており、そのまわりに家、中央に広場がある。広場は牛を飼う場所でもある。写真はこの村にとっての神聖なる岩で、村のすぐ隣に鎮座している。
- かつてマサイ族は戦士として他部族を滅ぼし、さらには同族同士でも殺し合いをしたというが、ここにいるマサイはいわゆる「観光マサイ」。きわめてフレンドリーだ。
- 観光マサイと知りつつ、ビーズのアクセサリーや木の置物などの“売店”を見せつけられるとちょっと冷める。強制ではないが、買わないとちょっと気まずいかんじ。木の棒の武器と腕輪を買った。その場でドル建てで会計。
- 部屋をスイートからデラックスに変更。ジャグジーはなくなったが、より素晴らしい景色を手に入れた。
- オロロロの丘から。
- 絶景の反対側から。
- 手前にはマラ川が流れる。北部の森林地帯に降った豊富な雨が流れ、大地を潤し、緑を育み、動物たちに食料を提供する。有名なヌーの川渡も、雨季で茂った草を求めての大移動。何万年も前から繰り返し行われてきた。
- 午後のドライブ。ダチョウ2羽とアカシアの木。
- 陸上動物のみならず、鳥類も多く見かける。ハゲワシ(vulture)は、遠くを見つめ、獲物を探しているようだ。
- 獲物、といっても獣の屍なのだが……。枝葉の少なさと禿げた頭が妙にあっている。
- ウォーターバック(waterbuck)という名のとおり、川や水庭の近くに生息するレイヨウの仲間。肩まで高さ1.3m。雄のみが立派な角を持つ。
- 水浴びをしてきたのであろう、身体の真ん中で色が分かれている。小僧、否、小象がかわいい。
- あまりに見事な保護色ゆえ、見つけることが難しい川辺のワニ(crocodile)。たぶん東アフリカの沼や川に生息するナイルワニだろう。人害も多いとか。
- 尻尾と両足で“黒い川の字”を描いていることから、おそらくインパラと思われる。雄1頭に対し数十頭の雌を引き連れているハーレムを形成。立派な角を持つ雄は不在のようだ。
- ライオンは寝ている。
- カバは水を浴びている。
- 基本的に、サファリ・ドライブ中にクルマの外へ降りることは許されていないが、ここのヒッポプールでは許可がおりた。足もとの土は目が細かくて乾いていた。乾季と雨季で川幅は大きく変わるという。
- そもそもサファリ(safari)とは、スワヒリ語で“旅”を意味する言葉とか。我々観光客にとってはサバンナで自然見物をするのがサファリだが、現地のひとにとっては近所に出向くのもサファリとなる。
- シマウマの縞は不思議。なんであんなにキレイに白と黒が分かれるのだろう? 人間の指紋と同じでそのシマウマ固有の柄らしい。
- どうも、トリオ・デ・キリンです。ホントはカルテットでしたが、1頭は卒業しました。
- 間もなくマサイ・マラ滞在3日目が終わろうとしている。空、雲、大地のグラデーションが幾重にも重なる。
- 何度見ても美しい。毎朝5時起床、過酷なアフリカン・ライフだが、早起きは三文の得。
- サファリの朝焼け。
- 生命の息吹を感じる。
- マサイ・マラ観光といえば、気球によるバルーンサファリが有名。気温の寒暖の差を利用して空を飛ぶため、早朝に行われる。空からサバンナを眺めたいけど、ひとり350 USドルとベラボウに高いため、断念。
- 密猟によって絶滅危惧種に指定されるまで激減したクロサイ(black rhinoceros)を発見。体高1.6m、長さ3~4m、体重800~1400kg。群はつくらず単独で行動する。朝日を浴びながらノソノソと歩いていた。
- この日は、午前と午後のドライブをあわせ、いつもより離れた場所まで出かけた。昼時にはサバンナでのランチが待っている……。
- 地の果てまで続きそうな気の遠くなるような数のヌーに遭遇。食料となる草を求めて、タンザニアはセレンゲティとマサイ・マラを150万頭が大移動することはあまりに有名。決死の川渡を目撃することは残念ながらできず。
- 顔を血で真っ赤に染めたハイエナ(hyaena)。死肉をあさる“略奪者”というイメージが強いが、なかには自ら獲物を捕獲するものもいるという。
- 体高85cm、長さ1.8m、体重80kg。雄に比べ雌のほうが身体が大きく、かつ優位という。性器で雄雌の見分けがつきづらいことから両性具有ともいわれていたが、そうではないらしい。
- タンザニア国境付近、小さな丘が連続する地形が続く。
- これが国境を示す目印。奥がT=タンザニア、手前がK=ケニア。
- もちろん物理的な国境線があるわけもなく、越境も簡単にできる。マサイ族は、パスポートなしに2つの国を行き来することが許されているという。
- この丘、どうやってできたのだろうか?
- サファリ・ランチの中身。自分たち以外にひとの気配がまったくない大草原の大きな木の下で食べるのだから、美味しくないはずはない。
- マサイ・マラは「国立保護区」(national reserve)で、「国立公園」(national park)ではない。これは、管理する主体が国ではなく、州が独立して管轄しているから。ケニアには59ヶ所の公園、保護区があるという。
- 密猟者を取り締まるため、マサイ・マラではレンジャーたちが各所で見張っている。ここはそんなレンジャーたちの詰所のようなもの。クルマを降りて向かった先は……。
- すぐ近くに川が流れていた。鳥たちがたむろしている。鼻をさす悪臭。いったいどんなところなんだ?
- 川面には、腐ったヌーと思しき死骸。悪臭はつまり死臭だったのだ。
- 屍をついばむアフリカハゲコウ(marabou stork)やハゲワシ。死体に顔を突っ込んでも汚れないよう顔には毛がない。死骸は腐り養分として地に返るだけでなく、動物たちの栄養として“利用”される。食物連鎖、輪廻のありさま。
- 死肉を取り合うほどの旺盛な食欲を見せたアフリカハゲコウ。体長1.5mの大型のコウノトリで、大型動物の死骸のほか、魚やカエルなどを食べるという。禿頭、毛の色、すべてが不気味。
- 肩を並べてカバの昼寝。小高い岸から川へ降りていけそうな場所を見つけた。そこは夜にカバが陸上へ出るための“道”なのだとか。
- ケニアには四季はないが、大雨季(4~6月)と小雨季(10~12月)に季節が分けられる。観光シーズンは雨を避けて乾季、と思われがちだが、雨季とて大雨にはならず、むしろ清々しいという意見もある。
- 8月終わり、気温は30度前後まで上昇するというが、日差しは厳しいものの、猛烈な暑さは感じなかった。空気が乾いているから、そして標高が高いからだろう。
- 同じ太陽だが、場所が違うだけでこれだけ感じ方が違う。
- ドライブ中、ライオンやゾウなど(存在が)デカい動物を見つけたとき以外は、滅多にクルマが停まることはない(もちろんドライバーに停まってほしい旨伝えれば別だろうが)。写真撮影も移動中に。
- こちらはイボイノシシ(warthog)。体高70cm、体重は平均5、60kg、昼間行動する。イボを持つユーモラスなフェイス。ちょこまか動くさまにも愛嬌がある。
- 初日にムパタで昼食中、外の木にネズミのような動物を発見。名前はハイラックス(hyrax)。長さ60cm程度だが、実はゾウにもっとも近い動物なのだとか。ひとを怖がらずフレンドリーだが、驚くとオシッコしながら逃げるらしい。
- 4日目の午後はオプションでマサイ伝統のビーズアクセサリー作りに挑戦。近くの村からマサイ・ママを呼んで、ブレスレットの作り方を教わった。マサイ・ママはやさしく指導してくれた。
- ゴムのベルトを円状に繋ぎ、ビーズを通した糸をグルグルと巻きつけていく。すごく難しくはないが、慣れるまで時間を要した。最初は模様を考える余裕もなかった。
- これが完成したマサイ・ブレスレット。結局2時間以上もかかってしまったが、なかなかのデキ、と自画自賛。
- ムパタ・サファリ・クラブのレストラン。このホテルの経営者は日本人、というか、雑誌『ソトコト』の編集長氏。日本人観光客は多かったのは当然か。ちなみにムパタとは動物画家S.G.ムパタにちなんでつけられた名前とか。
- あっという間の最終日。カーテンを全開にし就寝、朝日とともに目覚めた。なんという贅沢なロケーション!
- 朝の空気はまだ冷たいが、日の光により徐々に暖かくなっていく。朝とは、すなわち解凍の時間である。
- 鳥のさえずりと、微風。
- 太陽がのぼる。
- マサイ・マラの朝。
- 今日という1日がはじまる。
- ムパタでの最後の朝食。基本的に席は決まっている。食事はフレンチあり、バイキングあり、アメリカンスタイルあり、数日の滞在でも飽きないバリエーションが用意されていた。
- 最後の日ということもあり、ムパタ内を散歩してみた。
- ムパタ・サファリ・クラブの周囲には柵があり、ライオンなどの大型動物は侵入してこれない。安心して歩ける。
- それでも、ハイラックスやトカゲ、鳥など、さまざまな動物たちを見つけることができる。
- 緑の種類も豊富。菜園もあるらしく、採れた野菜は食事にも出されているとか。
- ムパタ・サファリ・クラブのクラブハウス外観。目の前にあるのがレストラン、その奥にバーやレセプション、右手は展望が開けており、スイミングプールや野外バーなどがある。各部屋は手前と奥に向かって並んで建っている。
- レストラン内。従業員の方はみな英語がしゃべれる。流暢な日本語を話すスタッフもいるから安心だ。
- レセプション横にある図書スペース、デン。アフリカにまつわる本や写真集を自由に手にとることができる。
- レセプションの天井には採光のための口が開いている。
- レセプションからの眺め。
- その下には緑が。
- レセプションの隣には売店があり、置物やTシャツなどを買うことができる。
- スイミングプール。
- いよいよムパタともお別れ。毎日通ったこの悪路だって最後だ。
- キチュワ・テンボ・エアストリップへ向かう途中、ダチョウの卵を見つけた。直径10cm以上にもなる巨大エッグ。
- 滑走路に到着。
- あるのは看板と東屋だけ。
- 草原、動物、悪路、ランクル、丸い地平線、太陽、川、マサイ……kwa heri ya kuonana !