タグ:

0

人生は甘くはない。けど、捨てたものでもない。〜トルーマン・カポーティ『あるクリスマス』〜

『ティファニーで朝食を』『冷血』といった名作を生み出したトルーマン・カポーティの最晩年の作品に、『あるクリスマス』という短編がある。 クリスマスにちなんだ彼のもう一編『クリスマスの思い出』が、イノセントで心温まるストーリーなのに対し、『あるクリスマス』は、主要な人物を同じとしなが...

0

「何かを理解したかのような気分」という病 ~ 蓮實重彦『齟齬の誘惑』を再読して ~

この本を最初に読んだのは発売後間もない2000年頃だったか。「東大生が理解できなかった、東大入学式での東大総長の式辞」という当時の評判に“非東大生”が触発されたわけである。
当時20代半ばの自分がどれほどまで内容を理解していたかはあやしいところだが、少なくとも40歳になった今になってふと読み返したくなったのだから、何かしらの“意識の欠片”が残っていたのだろう。

0

「非共感的」な原発問題を超えて 〜 武田徹『私たちはこうして「原発大国」を選んだ』を読んで 〜

2012年6月から半年間、毎週金曜日に首相官邸周辺で行われていた反原発デモに足繁く通ったのだが、いつしかこの運動が「解決」ではなく「対決」を求めているかのようにみえ疑問を感じるようになった。そこで出会ったのが、武田徹が著した『私たちはこうして「原発大国」を選んだ』だった。